きらら通信
横井商店 松波米あめ
2014年03月21日
今日は春分の日。
冬から春へと変わっていくのを惜しむように、冷たい風が吹き、雪もちらちら降っています。
明日から徐々にお天気回復とのことなので、今日1日は辛抱するしかないですね。
先日漬け込んだ種もみは、冷水の中浸っています。腐敗防止のため3日に一度くらい水を替えます。
18日に能登町松波にある横井商店へ行ってきました。横井さんは、米と大麦を主原料に昔ながらの製法で手作りの飴を作っています。
砂糖は全く使っていないのに、ほんのりと甘い飴です。やわらかめのきな粉飴はいくつでも食べられそうです。手間ひまかけて鍋で煮詰めてつくる飴には、作り手の気持ちが込められていて食べる人にも伝わってきます。
横井さんから貴重なものをいただきました。
それは、ブルーベリーの実を米飴(固形ではないじろ飴)に漬け込んで3年が経過したものです。一口食べてみると、ほんのり上品な甘さにブルーベリーの味がふんわりとします。中のブルーベリーは、やや水分が抜けているけれど、形はしっかりと原型をとどめています。
横井さんによると、最初は飴がブルーベリーの水分を吸収するのですが、そのうち今度はブルーベリーが飴の水分を吸収し、相互に行ったり来たりを繰り返し、調和のとれた味になるそうです。
このおいしさは、3年という長い時間をかけて出来上がったものです。貴重な味です。
横井さんは、「時が作り出す味」というステキな言葉を教えてくれました。おいしくなるまで待つこと。プロセスを楽しむこと。今では忘れられがちですよね。
私たちはついつい賞味期限を気にしますが、忘れて置きっぱなしになっていたものから偶然に美味しいものが発見されることもあると言います。
横井さんの話を聞いて、忘れてしまっていた大切なことが心に戻ってきたような気がします。